世の中には様々な老舗がありますが、ここまで歴史のあるお店には滅多にお目にかかれません。そんな本日は、江戸時代末期、安政五年創業の老舗製菓店がつくる「塩あんびん」をご紹介。

まず、塩あんびんをご存じない方にご説明を。塩あんびんとは、大福の見た目をしているのに甘くない、塩味の餡が入った大福です。

今回ご紹介する金沢製菓さんの塩あんびんは、埼玉古墳群の円墳のようなどっしりとした丸いフォルム。手に持つとずしりと重みを感じます。
ひと口いただくと、柔らかくコシのあるお餅に塩餡の塩味が程よくきいて、さっぱりとおいしい。いつまでも食べていられる飽きのこない味です。

塩だけという極めてシンプルな味付けは一切ごまかしが利きません。その分、国内産の良質な材料をつかい、杵づきでお餅をつくり、一つひとつ丁寧に手でつくる。こうした積み重ねが安政五年から今なお続く秘訣なのかもしれません。

お店の隣には埼玉県名発祥の古社「前玉(さきたま)神社」が鎮座し、周辺には全国でも屈指の規模を誇る「埼玉古墳群」が。その時代時代を語りながら老舗製菓店の塩あんびんを味わう。なんとも乙ではないでしょうか。
（取材：レッド）

※掲載情報は公開時点のものです。