【重要文化財】東京大学にも深谷産レンガ ホフマン輪窯について小学生にもわかるように解説します
深谷で作られたレンガが東京駅に使われているのは有名な話ですが、それ以外にもたくさんの建造物に使われているのはご存知でしたか?
かつて日本国内に60基近く作られ、現在4基しか残っていない【ホフマン輪窯】とは何なのか?どうして深谷でレンガ作りが盛んになったのか?どんな方法でどうやって運ばれ、現在はどうなっているのか?
なんとなくしか知らなかった深谷とレンガの関係を、小学生にもわかるように解説します。(編集:えび子)
- 更新日:2024/06/17
- 公開日:2024/06/17
- お気に入り数:0
ホフマン輪窯とは
ドイツ人技師ホフマン(Friedrich Hoffman)が考案し1858年に特許を取得した、連続焼成が可能な窯のことです。
Wikipediaによると
とのこと。
それまでの日本には無いやり方で、ヨーロッパで行われていたレンガの焼き方なのだそう。
※コークスとは、石炭を蒸し焼きにして炭素部分だけを残した燃料のこと。深谷市にある【ホフマン輪窯6号窯】では「粉炭」を使用していました。
焼き物作りって、とても時間と手間のかかる作業だと聞いたことがあるよ。
たくさんのレンガを移動させるだけでも大変だろうなあ。
待ち時間も長そう・・・。
ホフマン輪窯の窯の中には1部屋あたり約18,000個のレンガ素地を積み上げることができ、1昼夜かけて約1,000℃の高温で焼き上げたんですって。
一度火を点けたら夜間でも投炭を続け、工員は3交代制で就業していたのだとか。火を入れる窯をローテーションで回すことで、効率的に量産体制を取ることに成功したのね。
渋沢栄一とホフマン輪窯
明治維新後の日本政府は、欧米列強国と肩を並べ不平等な条約を改正させるため、文明化政策の一環として「官庁集中計画」を推進しました。この計画では、近代的なレンガ造りの官庁を建設し、欧米風の外観と耐火性、耐久性を備えることで、近代国家としての体現を目指しました。
そこで大量に必要になったレンガを調達するにあたり、政府は経済界の重鎮であった渋沢栄一らに協力を求めました。
元々深谷市では、利根川が運んだ上質の粘土による瓦作りが盛んだった為、渋沢栄一らの強い働きかけによって、明治20年(1887年)に日本で最初の機械式レンガ工場『日本煉瓦製造会社(のちの日本煉瓦製造株式会社)』を設立したのです。
不平等な条約を改正させるためには、日本が近代的で強い国家だと示す必要があったんだね。
もともとレンガは幕末まで日本には無く、ヨーロッパの文化と共に伝わったんですって。
明治時代というとレンガ造りの建物と西洋風の格好をした『ハイカラ』なイメージがあるけれど、あれは文明開化と共に定着していったらしいわ。
レンガを運んだ道 (現在の遊歩道)
【備前渠鈇橋】
明治28(1895)年、小山川・利根川船運に変わるレンガ輸送手段として、レンガ工場~深谷駅間を結ぶ、約4kmにも渡る専用線が開通しました。備前(用水路)に架けられた鉄橋で、プレート・ガーダー橋と呼ばれています。
ホフマン輪窯の見どころ
ホフマン輪窯の見どころといえば、なんと言っても効率性と機能美を兼ね備えた無駄のない工業デザイン。
18の部屋に分かれた窯内部では、効率的に高品質のレンガが生産される様子を学ぶことができます。
ホフマン輪窯の内部、なんだかどこかで見たような…?
よくぞ気付きました!
深谷市役所の国道17号沿いの、現在イベント広場として親しまれているコリドーは、ホフマン輪窯の内部をモチーフに作られたんですって。
深谷で作られたレンガを使用した施設
日本煉瓦製造でつくられたレンガが東京駅に使われていることは有名ですが、その他にも
東京大学・司法省(現法務省)・日本銀行・旧東京裁判所・旧東京商業会議所・赤坂離宮・旧警視庁・旧三菱第2号館
など明治時代の代表的レンガ建築に使われているのは意外と知られていないかもしれません。
深谷駅には耐震基準の関係でレンガ風のタイルが使われていますが、探してみると深谷市内のあちこちにレンガが使われていることに気付くはずです。
保存修理工事とその目的
建設から100年以上が経ち、老朽化や東日本大震災の影響などで保存修理が必要になっています。
※工事スケジュールや保存修理の詳細は深谷市公式サイトにて更新中です。
【深谷市公式サイト】旧煉瓦製造施設
平成31年(2019年)2月から見学を休止していましたが、新一万円札発行記念イベントに合わせ、一部公開されることとなりました。
当時の歴史的背景を感じることができる貴重な施設ですので、是非この機会に訪れてみてはいかがでしょうか?
【わたあめ / 射的 / ガラポン抽選会 / オープンBAR】
渋沢栄一の新一万円札発行を記念して、普段は公開されていないホフマン輪窯内部を一部公開いたします。
同時開催の【煉瓦窯フェスティバル】は、地元の魅力がぎゅっと詰まったイベントです!
『ホフマン輪窯の一部公開』
感動の『ホフマンステージ』
『ふっかちゃん!記念撮影会』
『激レア!ふっかちゃんマンホールカードの配布』
など、内容盛りだくさん!
6/30は上敷免で窯をのぞいて、食べて、遊んで、お楽しみください。
[終了]
渋沢栄一イベント|【6/30】煉瓦窯フェスティバル&彩北マルシェ
グルメ / 演劇・ダンス / 子供
【わたあめ / 射的 / ガラポン抽選会 / オープンBAR】 渋沢栄一の新一万円札発行を記念し… | |
(深谷市/ホフマン輪窯・たつみ印刷株式会社) | |
イベント開催日 |
2024年06月30日(日)
|
---|---|
お問い合わせ先 |
「彩北マルシェ」運営事務局 TEL 048-578-6178 |
アクセスマップ
所在地:埼玉県深谷市上敷免28-2
アクセス:JR高崎線 深谷駅北口より車で13分
駐車場:無料駐車場あり
まとめ
深谷市内にレンガの建物がたくさんあるのは知っていたけれど、こんなにレンガと深谷の関係が深いとは知らなかったよ!
ホフマン輪窯無くして深谷の産業は語れないほど重要な施設だったんだね。
ここではお伝えしきれなかった渋沢栄一とレンガの関係については、YOUTUBE
彩の国ビジュアルプラザ【SKIPシティチャンネル】『礎 渋沢栄一と赤レンガ』
で知ることができるので、ぜひ見てみてね。
当時の貴重な映像が満載で、より一層理解が深まるのでとってもおすすめです♪
取材協力
深谷市教育委員会教育部 文化振興課
深谷市役所 渋沢栄一政策推進課
深谷市総務部総務防災課
ご協力いただきありがとうございました。